ざっそう

滋賀県9年目小学校教諭の、自分のためのブログです。教育は、足元のタカラモノ。

特支こそ教育の最先端?

 今、担任している特別支援学級の子は、自立活動の中で「カレンダー作り」に取り組んでいます。これは、他の特支クラスの友達と手分けして作るので自分の担当の月分のみ作るのですが、全学級数だけでなく、自分たちの家や地域の人、校外学習でお世話になっている人たちの分も作るので、合計で60枚分作ります。

 1枚の紙の上半分が、その月をイメージした絵を自分でデザインし、下半分は日にちを入れます。下書きが1枚できたら60枚分印刷するので、そこは難しくないのですが、色付けは一枚一枚やります。細かいところはコンテで塗って、あとは絵の具で塗ります。一枚づつ、受け取る人のことを考えて、丁寧に、はみ出さないように。

 これも、立派な学習です。僕が担任している児童は、相手の気持ちを推し量るのがちょびっと苦手なので、この学習のねらいはそこをメインにしてサポートします。具体的には、「もらう人はどう思うかな?」です。想像しにくい場合は、渡す人は決まってるので、その具体的な人を挙げます。絵を塗ってはみ出したり、ちょっと跳ねてしまったりした場合も、まずその言葉をかけます。そこから修正するのか、しないのかは自分で決めてもらいます。(ちなみに修正しない場合は理由を聞いて、考えが至っていないようであれば「先生は〜と思うよ。」「〜かもしれないよ。」と言葉を添えます。)

 もし、相手の気持ちは比較的推し量れるけど手先は器用でないなら、また学習のねらいのメインも変わるし、言葉かけも変わるでしょう。推し量りも手先もゆっくりなら、それに合わせるでしょう。

 

 特支の授業は、その児童に合わせて学習を進めることができるので本当に安心・安全な気持ちになります。更に、特支の世界では例えば生活単元学習などで、もう既に「個別化」「協働化」「プロジェクト化」が行われている気がします。ユニバーサルデザインとかそういう特支的な要素以外にも、通常学級の授業でも、参考になることばかりです。

 また、特支の先生は控えめな方やちょっぴり変わった方が多いかもしれませんが、僕の知る限りでは、子どもへの寄り添い方がスペシャルだなと思わされる先生ばかりです。あんまり関わりがなかったり、最近そんなに関わっていなかったりする先生は、是非授業を見に行ったり授業の作り方を聞いたりしてみてください。特支のことを詳しく知らない保護者の方も、一度見ていただきたいものです。