本質思考
これを読みました。
ゴチャゴチャ考えて大切なものを見失いやすい僕にとって、何かヒントを与えたくれるのではないかという期待をもって読みました。
「本質」とググると、「そのものとして欠くことができない、最も大事な根本の性質・要素。」と出ました。
よく「学びの本質」とか「本質的に」とか言ってましたが、間違って使ってた時もあった気がします。笑
では本書の中では、「本質」をどのように捉えているかというと、
本質=構造(モデル)×因果(ダイナミズム)
だそうです。これは、システムダイナミクスの捉え方だそうです。
例えば子どもが「宿題を忘れた」という現象の裏側には、忘れてしまう原因があるわけですね。そこに目を向けずに「叱る」「連絡帳に書かせる」という対処だけしても、本当の解決にはならない。
まず、「宿題を忘れる」という現象の中に、「宿題」と「忘れる」という2つの構成要素がある。そして「宿題」のなかには、「漢字」「音読」「リコーダー」「自主学習」など、これも様々な構成要素がある。このように分けると「忘れる」についても、「何を忘れるのか」が考えらえる。もしかしたら、「苦手なものがある」ということが見えてくるかもしれない。
また、宿題は大抵放課後にするものなので、放課後の生活のモデルを考えれば、新しいものが見えてくる。習い事や家族の状況や関係、仕事などなど。そしてその影響要素を見極めることができれば、どこのメスを入れればいいかがわかりやすい。
でも、実はこの「現象から考える」のは、「本質」を見失いやすいらしいです。本当に考えないといけないのは、「なんのために宿題をするのか」です。
野口芳宏先生は、さすがその点をシンプルに考えておられます。
本質を捉えてから現象を分析すると、余計なものが見えてきて、フレキシブルな発想ができる。多分「イシュー」もこの考え方と関係があるのでしょう。
他にも正のループや負のループ、5つの構成要素(インプット元、アウトプット先、競争関係、協調関係、影響者)、レイヤー、ストックとフローと相転移、根源的ドライバー、レバレッジポイントなどのことについて書かれていました。
できるだけ無駄を省いて、大切なことに近づけるようにしたいですね。ただ、本書にも何度も思考して行動し、フィードバックを得る必要があるというようなことも書いてありました。慣れるまでは(というか慣れてからも)、本質というのは一筋縄では見えてこないもののようですね。
眼光紙背に徹す