ざっそう

滋賀県9年目小学校教諭の、自分のためのブログです。教育は、足元のタカラモノ。

SDGsと学校教育

 今、これを読んでいます。

SDGsと開発教育:持続可能な開発目標ための学び

SDGsと開発教育:持続可能な開発目標ための学び

  • 作者: 田中治彦,藤原孝章,近藤牧子,三宅隆史,湯本浩之,岩本泰,廣里恭史,小貫仁,上條直美,小松太郎,大橋正明,甲斐田万智子,南雲勇多,三輪敦子,山中信幸
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 新学習指導要領やそのための中央教育審議会の答申とリンクすることがたくさんありました。

 元々は、1960年代に発展途上国の経済発展による貧困の解消を目的に行われてきた「国連開発の10年」がスタートでした。しかし、10年が終わってみれば世界の、そして発展途上国内の貧富の差は拡大。これにより、「開発とは、経済的側面だけでなく、社会的、政治的、文化的側面を含むものとして捉えなければならない。」という見直しがかかり、「開発教育」の考え方を導いたそうです。

 その後、1970〜80年代も取組が続けられ、1989年のベルリンの壁の崩壊による「東西問題」の消滅とともに「南北問題」がクローズアップされ、1990年代には「開発教育が一気に加速します。日本のODAが世界一になったのもこの時期。姉妹都市が増加したのもこの時期。また、日本は1980年代後半から大量の「外国人労働者」を迎え入れたことも大きな要因の一つです。

 また、1990年代にはこの開発問題が環境問題と密接に関連づけられるようになります。1992年のリオデジャネイロでの国連環境開発会議(地球サミット)が開かれて「持続可能な開発」の理念が合意されます。他にも、世界人権会議、国連人口開発会議、世界社会開発サミット、世界女性会議、第2回国連人間居住会議などが開催されました。

 ちなみに1992年には、学習指導要領に「国際理解」「国際的視野」「国際人」ということが強調されています。1998年には週五日制が導入されて「総合的な学習の時間」が設けられます。

 そして2002年、南アフリカ共和国ヨハネスブルグで「持続可能な開発に関する世界首脳会議」が開かれ、2005年からの10年間を「ESD」とすることが提唱されて「MDGs」が策定されました。そしてそれを引き継ぎつつ、環境問題も統合して策定されたのが「SDGs」です。「SDGs」では、17の目標と169のターゲットがあり発展途上国だけでなく先進国内の開発も目標としているのが大きな特徴の一つです。

 

 このように、学習指導要領が世界の流れとリンクしているところがわかりました。アクティブラーニングも、この開発教育との関連性がすごいあると思います。

 開発教育は、「世界には貧しい人がたくさんいるよ、目を向けようね」という遠い世界の話として学ぶのではなく、「みんなが服を買ったり食べたりしているものは、世界から来ているんだね。だから、みんなが生活を変えることが、世界を変えることに繋がるんだね。」とか、「みんなの地域にはこんな問題があるね。世界でもこんな問題があるよ。」と、つながりや身近さを感じたりして、自分にできることをしてみようと思わせることが重要な学びだと思います。

「知る」「考える」「行動する」これがポイント。

 アクティブラーニング、ここから来てるんちゃうかなあ。前までは、どの教科でもアクティブラーニング!と思ってたけど、実生活や社会の問題と繋がってないと、本当のアクティブラーニングじゃないんちゃうかな。ということはやっぱり、低学年は「生活」中学年以上は「総合的な学習の時間」にゴールを据えて教科学習を関連させていくことが本当のアクティブラーニングで、カリキュラムマネジメントもそのために必要なもの?そこにゴールを置けば、必然的に地域が教材になるから、地域あるいは学校独自のカリキュラムが出来上がるはずということ?そういうこと?大変やな。でも興味深い。SDGsの目標とターゲットがわかっていれば、今ある地域教材を使った学習を再構成できそう。

 

もうちょっと勉強しよ。

 

 余談ですが、僕は今自分の学校の校内研修の在り方を変えようと企んでいます。上記に関連づけて言うと、もっとアクティブラーニング型にしたいんです。幸い、職場の先生方とも「今のままではよくない」という思いを共有できているので、実現できる可能性があります。

 もしかしたら、これは校内研修だけではなく、ゆくゆくは学校を変える動きに繋がるかもしれないと、勝手に妄想しています。今目指す校内研修の形が上手くいけば。

 

まあそれは、そんなすぐにはできひん、何年もかかることやろうけど。