ざっそう

滋賀県9年目小学校教諭の、自分のためのブログです。教育は、足元のタカラモノ。

校内研◯

  今仕事で一番悩んでいることは、「来年度の校内研究をどうするか」です。多分僕の中ではもう結論が出ているはずなので、書きながら頭の中を整理してみたいと思います。

 学校の先生は、どの学校でもテーマを一つ決めて、より良い教育ができるように研究をしていますよね。日々の対応や、宿題やテストの丸つけ、行事、出張、事務作業、臨時の家庭訪問などなど、様々な職務の中で時間を作って教育について考えています。できるだけ子どもの力になる教育を、そしてできることなら学校が楽しいと思える教育をと、ほとんどの先生が思っています。(もしかしたら教師ではない方も読まれているかもしれないと思って、急に丁寧に説明しています。他の仕事でも一緒ですよね。僕たちも同じように真剣だということを伝えたくて書いています。)

 その目的を果たすのが「校内研究」です。一人では悩んで悩んで悩みすぎてしまう僕も、他の先生方と協力して教育を考えることで、より有効なものを選択したり創り上げたりすることができます。「研究」ですから仮説が必要で、立証する方法と入念な計画も必要です。しかし、公立の場合、先生はその学校の経営方針を選んできているわけではありませんから、その仮説や方法に納得がいっていない先生がおられたり、授業をするための指導案(授業計画)作成に時間がかかりすぎて負担になっていたりと「やらされ仕事」になっているときもあります。また、「研究」ということで準備も凝るのですが、いざ日常的に使えるものなのかと言われると、「いや、めっちゃいいけど、毎日毎日そんな準備する時間ないわ。」と思ってしまうものになっている時もあります。しかもテーマによってはなかなか成果がはっきりみられなかったり、先生も子どもも感じられなかったりする場合があるのが現実です。きついのに成果がわからない。意味ないですね。寒空の中、駅前で渡したチラシがそのまま道に落とされているのを見るような虚しさです。主任として情けない。。

 そもそも日本はずっと昔から今現在でも、たくさんの先生や研究者たちが「教育」に関する研究を行ってきています。さらに、今は情報化社会なので、ネットで検索したり書店に行って本を調べたりすれば、創造力の軟弱な僕には考えもつかないシロモノがゴロゴロと溢れています。

 つまり、さらに新しいものを創ろうと思ったら、めちゃめちゃ時間かかります。そんな時間ないわ!ということです。こんな研究する意味あるのか?とい思って色々調べました。

例えば有名なこれ。

笑顔と対話があふれる校内研修

笑顔と対話があふれる校内研修

 

 そしてこれ 

めっちゃ楽しい校内研修ー模擬授業で手に入る?黄金の指導力

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 さらに「校内研修」でググったり、有名な先生のブログも読んだりもしました。

iwasen.hatenablog.com

 岩瀬先生、一度お会いしてみたいなー。この人の著書はほとんど読んだと思う。

 

 やっぱり、仮説検証型の校内研は、やってないみたいところが増えているみたいですね。それよりも、お互いの実践力を高め合う方を優先されているようです。校内研「究」ではなく、校内研「修」。OJT

 例えば、指導案(授業計画)はA4表1枚に簡略化して、事前研もせず、事後研はワークショップ型にして30分〜1時間で終わらせるパターン。入念に準備するのではなく、とにかく全ての先生(管理職や養護教諭も)が日常的な授業や取組を公開して、みんなにアドバイスをもらって軌道修正をしながら磨いていく。TRY&ERROR。そして、毎学期振り返りのレポート(これもA4表1枚)も書く。リフレクションでメタ認知ですね。

 こっちの方が、現実的で日常的な教育の質を向上させることができる気がします。さらに、事後研のファシリテーションが良ければ、先生方の個性を発揮したまま良好な職員関係の構築も実現できます。ということは、職員室での何気ない会話にも実戦の話が出て、相乗効果?子どもにも?

 

 いいなー。でも、そんなうまくいくかな?笑

 「校内研究は、こういうもの」と考えておられる先生もいるはず。「各々に任せて、本当に教育の質が上がるの?」とか、「教師の趣向でやるのが正しいの?」と思われるかも。「そんなことしたら担任の先生によって全然違うことをして、子どもが振り回すだけ。」とかも。あと。「急に言われても、何しよう。」と不安になる方もいるような・・・。

 

 ということは、ある程度の「型」は必要ですね。

 まずは、目指す児童像。これは、こちらから一方的になるものではなく、なるべく先生方の実感と、学力テストとアンケートを元に。エビデンス。これは学校にデータがあるので、それを使えばいい。

 次に、方法の例示。モデルがあると安心するかな。

 そして、チーム構成。できれば、一人でやってもいいし、やりたいことが重なったら誰とやってもいいというように、柔軟にしたい。

 報告方法やレポートの形式も紹介しないと。「簡単」「楽」「楽しそう」「コスパ良い」と思ってもらえるようにプレゼンしたい。(もちろん実戦に充分時間がかけられるように、その他が「楽」という意味です。子どもに関係することで、手を抜く先生はほとんどいないと思います。)できるなら、「全員授業公開」をしたいなー。いや、これはまだまだ良い方法があるかもしれない。例えば、「参観」は先生方のタイミングに任せて、「レポート」の提出期限だけ決めてもいいかも。

 

 一番迷っているのが、「話せる・聞ける児童」という枠を設定するかどうか。なぜこの枠かというと、教科の汎用性が高く、横断的な取り組みもできるから。なぜ「書く」とか「読む」ではないかというと、児童の実態からして「人間関係づくり」「人権感覚づくり」に課題を感じておられる先生が多いことがアンケートでわかったから(今月にとったアンケートです)。基本的な話す・聞くスキルは認め合い学び合う学級の土台づくりとしてはかなり有効だから。話す・聞くスキルのレベルが上がれば、自ずと「読む」「書く」のスキルも必要ですよね。例えば音楽で学級づくりをするとしても、自分たちの完成を認めあったり高めあったりするなら、話す・聞くスキルは必要なのでは?ん??いや怪しい。例え汎用性が高いとしても、「全て」に共通するとは言えないかもしれない。「書く」ことでお互いを認め合い学び合う学級もできる気がする。しかも積み上げるっていうけど、毎年先生は入れ替わり立ち替わりするし・・・。やっぱり枠を設けるのは、ちょっと息苦しくなる。迷うなー。

 枠を設けると自由が・・・。今の「認め合い 学び合う」のままでいくか?んん〜、とりあえず両パターン作って、あとは先生方に相談しようかな。とりあえずまとまった。よかった。

 

 気づけば窓から見える景色が暗い。ぬるくなったコーヒーをすすりながら・・・。